RBV(リソースベースドビュー)とは?意味や事例をわかりやすく解説

RBV(リソースベースドビュー) 説明

企業がビジネスを行うには潤沢な内部資源が必要です。また、その内部資源をどのように活用するかにより企業の明暗は大きく分かれます。

優れた内部資源を保有していても、活用の仕方を間違えれば理想の成果はあげられません。それどころか、他社に遅れを取る形になるでしょう。では、どうすれば競争優位性を保ちつつ確実に収益を上げる事が出来るのでしょうか。

今回は、この疑問を解決するために企業の内部資源に焦点をあてたRBV(リソースベースドビュー)について意味や問題点を用いてわかりやすく解説していきます。

RBV(リソースベースドビュー)とは

RBV(リソースベースドビュー)とは、企業の競争優位の源泉を内部資源(経営資源)などの強みに見出した戦略理論です。アメリカの経営学者バーニー氏により提唱された理論であり、RBV(リソースベースドビュー)では企業の内部環境に焦点を当てて経営を考えます。

バーニー氏の提唱したRBV(リソースベースドビュー)は、ポーター氏によって提唱された5フォース分析と比較される事でも有名です。

ここでいう内部資源(経営資源)は広義であり、「ヒト・モノ・カネ」のような古くからの資源に加えてコア・コンピタンスや組織の特性、情報や知恵も含まれます。つまり、RBV(リソースベースドビュー)における内部資源は企業が意図的に作用でき、活用できるもの全てを指します。

バーニー氏が競争優位を内部資源に見出した理由の1つに模倣困難性が挙げられます。特に、ブランドや特許、ノウハウなどの内部資源は企業活動の蓄積の賜物であり模倣困難性が高いです。そのため、RBV(リソースベースドビュー)は持続的な競争優位性を構築する点では、イノベーションが進む現代において大きな助けとなるでしょう。

RBV(リソースベースドビュー)と事業ドメイン/コア・コンピタンスには通じる考えがあります。経営において、事業ドメイン/コア・コンピタンスは事業戦略において欠かす事の出来ない概念であるため、興味のある方は下記記事をご参照ください。

RBV(リソースベースドビュー)とポジショニング・ビューの違い

RBV(リソースベースドビュー)と対照的な理論で押さえておきたい考えの1つにポジショニング・ビューが挙げられます。

ポジショニング・ビューはRBV(リソースベースドビュー)と正反対の考えであり、大学の講義などでは2つの理論を対比して説明される事が多いです。この章では、ポジショニング・ビューとの違いを説明したうえで、どちらの理論が優れているかを解説します。

RBV(リソースベースドビュー)とポジショニング・ビュー相違点

ポジショニング・ビューは、企業の外部環境に焦点を当てて経営戦略を考える理論であり、ハーバード大学教授のポーター氏により提唱されました。

この理論では、企業のビジネス機会や脅威、競合の新規参入などを加味して自社の最も有効なポジショニングを考えます。

5フォース(既存他社、新規参入、売り手の交渉力、買い手の交渉力、代替品)分析がポジショニングを考えるフレームワークとして有効です。詳しく知りたい方は5フォース分析をわかりやすく解説|業界分析と企業分析の記事をご覧ください。

RBV(リソースベースドビュー)とポジショニング・ビューの違いは「競争優位を確立する際の着眼点」です。前者は内部環境に着眼し、後者は外部環境に着眼しています。

RBV(リソースベースドビュー)とポジショニング・ビューはどちらが優れているのか

結論から言うと、優劣を付け難く2つの理論を状況に応じて使い分ける必要があります。

市場の変化が少ない場合ではポジショニング・ビュー、市場の変化が激しい場合はリソースベースドビューを採用すべきとの意見もありますが、これは危険な考えです。

内部資源ばかりに着眼し、外部環境分析を怠っていると市場ニーズの変化に適応できず、新規参入企業にいつのまにかシェアを奪われてしまう危険があります。日本のエレクトロニクス産業が最たる例です。以前は優れた技術で市場を独占していたものの、DX化の波に乗り遅れて今では中国企業に先を越されています。

逆に、外部環境ばかりに着眼し、内部資源を軽視していると模倣困難性が低くなりシェアを奪われてしまったり、より多くの経営資源を持つ異業種からの新規参入により衰退してしまう事もあります。ニッチ市場で活躍する企業が大企業に飲み込まれてしまうのはこのせいです。

従って、RBV(リソースベースドビュー)とポジショニング・ビューの双方の視点を取り入れて、経営戦略を策定し実行に移す必要があります。

RBV(リソースベースドビュー)の問題点

RBV(リソースベースドビュー)は、企業の内部資源を中心に経営戦略を策定する考えです。この理論に対して、テキサス大学のリチャード教授と香港理工大学のバトラー教授が問題点を指摘しました。

彼らは、企業の競争優位性は経営資源だけではなく、製品サービスやマーケティング戦略によっても決まると主張したのです。

更に、RBVのブラックボックス化を批判し、具体的にはRBVを突き詰めるとリソースが競争優位を構築するという単純な因果関係を述べているだけである。実際の経営では「内部資源(経営資源)をどのように選択し、組み合わせ、活用するのか」が求められると主張しました。

これに対して、バーニー氏は反論するのかと思いきや、すんなりとこの問題点を受け入れてしまったため、今日でもRBV(リソースベーストビュー)の不完全性が指摘されています。つまり、RBV(リソースベースドビュー)のデメリットは実務における内部資源(経営資源)の活用法を十分に示せていない事にあります。

ただ、ブランドやノウハウは競争優位を構築する要因になりうるため、実務でもこれらの内部資源の育成に十分に意識して取り組む必要があります。

参照元:ダイヤモンドオンライン 企業は「市場」と「リソース」どちらを重視すべきか

RBV(リソースベースドビュー)を活用して成功するためには

成功のポイント

ここまで見て分かる通り、RBV(リソースベースドビュー)は完璧な理論ではありません。しかし、他の理論とも組み合わせて活用する事で十分に実務でも効力を発揮します。以下では、RBVを活用して成功するための4つのポイントを紹介しています。

ポジショニングビューを併用し外部環境にも目を向ける

前述した通り、企業が持続的な競争優位性を確保するには内部環境だけでなく外部環境にも目を向ける必要があります。

そのため、RBV(リソースベースドビュー)の視点でブランドやノウハウ等の内部資源をどのように伸ばす/活用するかを考え、ポジショニング・ビューの視点で内部資源が通用する環境の分析や、自社の脅威を探りリスクマネジメントをしなければなりません。そうする事で、経営における攻めと守りの両方が可能になるのです。

競争優位性のある内部資源(経営資源)の確保

RBVでは、競争優位性の根源はノウハウや組織の特性など模倣困難性の高い希少な資源にあると示されています。

したがって、外部から模倣されやすく希少性の低い内部資源は他社に模倣されるリスクが高く持続的な競争優位性を構築する事が困難になります。

そのため、簡単に模倣する事の出来ない内部資源(経営資源)を確保する事が求められるのです。

顧客の求める価値を理解する

例え、企業が如何に優れた内部資源(経営資源)を保有していたとしてもそれを活用して顧客の求める価値を提供出来なければ製品は売れません。

従って、「自社のターゲット」「ターゲットの求める価値」「どのようにしたらその価値を提供できるのか」を考えて製品サービスを提供する必要があります。

そうする事で、価値ある製品を創出するために内部資源(経営資源)をどのように組み合わせるのかを思いつくでしょう。

ターゲットの具体的な決め方はターゲティングとは?具体的な意味や成功事例を分かりやすく解説をご覧ください。あわせてSTP分析とは?意味や分析方法をスターバックスの事例を交えて分かりやすく解説!の記事もご覧になると自社に適したターゲット層を選定するヒントに繋がります。

競争優位性を持つ内部資源(経営資源)は変化する事を念頭に置く

近年では、テクノロジーの発達につれて、破壊的イノベーションブル―オーシャン戦略などによりイノベーションが加速度的に進み、業界内における価値基準が変化する事が多くなっています。

そのため、これまでは価値を発揮していた内部資源が新たな競争環境では通用しない事もあり得ます。これにより自社の経営が傾倒しないためにも、外部環境を意識し模倣化を防ぎ環境変化に対応できるようにアンテナを常に張っておきましょう。

VRIO分析を活用する

VRIO分析とは、RBVを基にして考えられた企業の内部資源に価値があるかを判断するフレームワークです。これを活用する事で、企業は内部資源のうちどこに焦点を当てた戦略を構築すべきかが明らかになります。

「Value:経済的価値」「Rarity:希少性」「Imitability:模倣困難性」「Organization:組織」に関する4つの問いに回答する形で自社の経営資源に価値があるのか否かを判断していきます。

RBV(リソース・ベースド・ビュー)の事例

ここでは、RBVを基にした事例としてキーエンスを見ていきましょう。同社は、優れた内部資源を上手く活用することで高い営業利益率を誇っています。

キーエンスは、模倣困難性が高い精密機器メーカーを販売し他社と大きな差を付けています。また、顧客の課題解決に焦点を当てたソリューション営業を展開する事で、顧客視点を基に的確な解決策を提案出来ます。

この体制は、古くから根付いており他社が真似しようとしてもすぐに出来ない次元に到達しています。また、業界内において平均年収が突出して高く、従業員のモチベーション管理も一流です。以上のように、キーエンスは内部資源の活用を効率的に行う事で、企業業績を右肩上がりで伸ばす事が出来ています。

内部資源に焦点を当てた分析方法について詳しく知りたい方は、VRIO分析とは|進め方や事例をわかりやすく徹底解説の記事をご覧ください。

まとめ:内部環境と外部環境に注目した経営が大事

RBV(リソースベースドビュー)は内部環境を重視した経営戦略の策定に特化した理論です。しかし、リチャード氏やバトラー氏により問題点が指摘されているように完全な理論とは言えません。

ただ、その問題点を補完する形でポジショニング・ビューと並行して経営戦略を策定する事で、持続的な競争優位を構築できる可能性が高まります。

そのため、RBV(リソースベースドビュー)だけに頼り切るのではなく、ポジショニング・ビューの視点で外部環境を捉えた経営戦略も策定する事を意識する必要があるのです。

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