ブルーオーシャン戦略の意味や事例を戦略キャンバスを交えて分かりやすく解説

近年、ブルーオーシャン戦略という言葉が脚光を浴びています。テクノロジーの進歩により従来では実現不可能だったビジネスモデルが出現する時代となり、既存の産業構造が改変されると同時に業界内に新たな価値基準を生み出すイノベーションが到来した今を表す言葉です。そのような現代市場から評価されるサービスの特徴の1つに、市場に新たな価値観を投入し広く享受される事があるのです。今回は、複雑化した市場環境において一気にシェアを獲得するための戦略の1つであるブル―オーシャン戦略について詳しく解説していきます。

ブルーオーシャン戦略とは

ブルーオーシャン戦略とは、競争が激化したレッドオーシャンとは異なり競合がいない新たな市場で勝負する戦略をいいます。このブルーオーシャンの見つけ方は様々なものがありますが、競合との既存のバリューチェーンにおいて差別化を図り、一点に特化してブルーオーシャンを見つけ出すものが身近です。

この戦略では、低コスト化×差別化の軸で新事業を創出していきます。これまでの競争戦略では、低コスト化と差別化を並行して追及することは難解だとされていたのが、ブルーオーシャン戦略によって容易になったです。

ブルーオーシャン戦略のメリット

ブルーオーシャン戦略の最大のメリットは競合がいない事です。これまで激化した市場で戦ってきた競合を突き放し、自社は独特の市場で競合をさほど気にすることなく自由に戦うことが出来るのです。また、低コスト化の実現を目指しているため、他よりも投資費用を抑えて事業開発に取り組むことが出来るのも魅力です。そもそも競合が少ないため、事業がうまくいき自社の製品サービスが消費者に広く享受されれば、それが自社のブランドとして認知されるようにもなるのです。

ブルーオーシャン戦略のデメリット

ブルーオーシャン戦略のデメリットは後発企業の模倣化により市場のパイを奪われてしまうことです。実際、日本に限らず世界では成功の可能性を秘めた製品サービスを提供していたとしても、後発企業のブランド力・資本による模倣化により市場撤退を迫られてしまう場合があります。そのため、良質な製品サービスを開発したことに甘んじず中長期の事業戦略を練る事が求められてくるのです。

対義語:レッドオーシャン

レッドオーシャンとは、競争が激化した市場を指します。ブルーオーシャンでは市場からのニーズが多いが故に参入する企業も多く血で血を洗うような競争が繰り広げられます。当然、ベンチャー企業がレッドオーシャンで競争しても勝ち目は低いのでブルーオーシャンでの戦いを計画していくのです。

ブルーオーシャン戦略を成功させるための手段

低コスト化×差別化を図りブルーオーシャン戦略を展開していく上でも、当然その順序およびやり方を間違えれば金の卵も育たずに市場から評価を受けません。以下では、ブルーオーシャン戦略を成功させるための手段について解説していきます。

 ①高度なマーケティング技術

優れた製品サービスを考えるうえで大事になるのが市場ニーズの把握です。顧客は何を求めているのかを念頭に置き、入念にリサーチをした結果できた製品サービスをどのように売り出していくのかを考えていく必要があるのです。市場から低コスト化のニーズを把握できればどの不要な工程を洗い出し低コストを実現できます。もう一声だとのニーズがあればどの工程が足りないのかを追求しそこに新たな価値を見出す事も可能です。

その他、ブルーオーシャンは競合が少ないが故に自社製品サービスの存在が認知されづらく、営業しても怪訝そうな顔で拒絶されてしまう可能性があります。それを防ぐためにも、適切なブランディングを行いターゲットに広く享受されるための高度なマーケティング力が必要となるわけです。

②戦略キャンバスの活用

戦略キャンバスとは、業界内における競争要因を可視化する事で他社との差別化を図るための指標です。これを活用する事でコストカットする要素を明らかにし、注力するポイントを明確にしていきます。そうすることで、まだ他社が取り組んでいない新たな戦略を見つけ出し新市場の開拓が可能になるのです。

戦略キャンバスでは、横軸に顧客が満足を感じるポイントを設定、縦軸に顧客満足度の数値化または満足度の大小を設定し、他社よりも力を入れるポイント/予算を抑えるポイントの2つを勘案します。

以下では、戦略キャンバスを学習塾の事例を用いて解説しています。ここでは縦軸を顧客満足度を高低で簡易的に表しています。

ここで示した戦略キャンバスを見て分かるように、感覚で図られる事の多かったサービス満足度を数値化する事によって自社の課題や強みが見えてきます。

例えば、自社は他社に比べると価格は安いですが指導科目数は少ないです。そのため、各科目を満遍なく対策する事が求められる難関校を志望する学生からの需要はあまりないと考えられます。

しかし一方で、専門性やアクセスの良さ、保護者対応の満足度が高く価格も良心的であるため、勉強が苦手な学生が最初に通う塾としてはうってつけであるといえるでしょう。

そのため、単一科目専門塾としてのプロモーションを行い、家計に優しい塾として売り出し競合との差別化に繋げる方向性が見えてきます。

また、競合と比較した際の課題も可視化されるため、その穴を埋めるための戦略を考える事も可能になります。

ブルーオーシャン戦略の成功事例

ブル―オーシャン戦略について用語理解とそれを実行するための方法論はある程度掴めたかと思います。この章では、ブルーオーシャン戦略の学びを確実にするために3つの事例を紹介しています。それでは、早速見ていきましょう。

①QBハウス

皆様もご存知のQBハウス。同社はブル―オーシャン戦略を活用し徹底した無駄の省きにより、圧倒的シェアを築くことに成功しました。今や身の回りに溢れる1000円カット市場はQBハウスが開拓したのです。従来の理容店では、ヘアカットに加えて顔剃りのサービスを提供するのが通常でした。また、カット前の予約やカット後の洗髪は当たり前でした。

しかし、QBハウスは顧客ニーズの本質をヘアカットだと定め洗髪や、予約制、顔剃りの一切の工程を削り顧客が高速でヘアカットして帰る事を可能にしたサービス提供を始動しました。そして10分1000円カットを消費者にアピールした結果、忙くて髪を切る暇がない・髪型にこだわりはなく短くしてくれればなんでも良いと考えるサラリーマンを中心に大ヒットし成功を収めるに至ったのです。

②任天堂

任天堂の販売するWiiはゲームに馴染みの無い人も巻き込むことを考えて企画開発されました。Wiiが発売された当初はMicrosoft社のXboxやSonyのプレステーション2が販売され、操作難易度やクオリティの高い家庭用ゲーム機が人気を博していました。そのため、ゲーム市場はグラフィックの質やリアリティ性を求めて各企業が熾烈な戦いを繰り広げるレッドオーシャンと化していました。

そんな中、任天堂はゲームに馴染みの無い人をターゲットに誰でも簡単に遊べるWiiを発売したのです。これにより、今までは難易度の高さから嫌煙されがちだったゲームの利用障壁が格段に下がり、家族で楽しめるゲームとして大ヒットすることになりました。また、ゲームの天敵であるお母さんも虜にする事で財布の紐が緩くなりスムーズな購買を促す事に成功しました。

この任天堂の成功要因は無駄の排除と付け加えにあります。同社はWiiからグラフィックや操作性などのクオリティを排除し、身体動作とキャラクターの動きをシンクロさせる新機能を搭載しました。例えば、Wii Sportsではテニスゲームをする際にリモコンを振る動作をセンサーが認知し、動きに連動してキャラクターがラケットを振る仕組みを構築しました。これが子供からお年寄りに刺さりシェアを確立しました。

③ユニクロ

アパレル業界においてブル―オーシャン市場を切り開いた企業はユニクロといっても過言ではないでしょう。これまでのアパレル製品は品質が高いものは値段が高く、品質が低いものは値段が安いといった考えが基本でした。しかし、ユニクロはこれまで製造と販売が分かれていた業態を、企画・製造・販売を同社が一貫して手掛ける(SPA)事で高品質かつ低価格で衣類を提供する事に成功しました。これが、

また、これまで衣類は着飾るものだと思われていた固定観念を切り捨て、衣類に新たに機能性を付け加え、販売を始めたのです。それがヒートテックです。ユニクロは企画から販売の工程における低コスト化・衣類に機能性を付け加え成功したのです。

まとめ:切り捨てと付け加え

ブル―オーシャン戦略は単純に差別化を図ればいいわけではありません。ブル―オーシャン戦略の成功事例を見て分かる通り、これらの成功の裏には常識に捉われず固定観念を切り捨てた事が背景にあります。その際にも、ただ単に既存の競争要因を切り捨てるだけでなく付け加えを行う事も成功要因にあります。ITの発展によりデジタル化が進む現代だからこそ、密かに眠るブル―オーシャンはたくさん存在します。モノの消費から価値ある消費にシフトしてきた今、真の顧客ニーズを突き止め、そこに新たな価値基準を投入するのはまさに自分なのです。

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