ターゲティングとは?具体的な意味や成功事例を分かりやすく解説

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ターゲティングという言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、言葉の意味やどのようにターゲットを絞るのかがピンと来ない人もいるでしょう。そこで、今回は、マーケティングの基本であるターゲティングについて解説します。

    目次

マーケティングにおける基本「ターゲティング」とは

ターゲティング 図

マーケティングにおいて、ターゲティングは基本中の基本とされています。そのため、是非とも押さえておきたいです。では早速、マーケティング戦略でのターゲティングについて見ていきましょう。

ターゲティングの意味

ターゲティングとは、消費者を分類分けして細分化したうち、どの市場を標的市場とするのかを選ぶことを指します。全ての消費者をターゲットに定めては平凡な製品サービスしか生まれず、戦略を明確に定める事が出来ません。

そのため、ターゲティングをする事で、競争する市場を選定し、特定の消費者層のニーズを充足する製品サービスを提供するための戦略に繋げるのです。

市場/消費者の細分化方法はセグメンテーションの記事で解説しています。

セグメンテーションの意味や事例、方法を解説|変数や4Rを用いて分かりやすくご紹介!

 

STP分析とターゲティング

ターゲティングは、STP分析において重要な役割を果たしています。
STP分析では、ターゲティングは独立したものではなく、セグメンテーション⇒ターゲティング⇒ポジショニングの流れで連動して行われ、マーケティングにおける基本になります。
以下が、STP分析とその流れです。

Segmentation(セグメンテーション)

セグメンテーションとは、市場の細分化を意味します。
細分化するための軸は性別/年齢/居住地/性格など複数あります。これらの軸をどのように活用するかでマーケティング戦略の方向性が大きく変わるため、自社の目標は何かを明確にして取り組む必要があります。

Targeting(ターゲティング)

ターゲティングでは、セグメンテーションにより細分化された市場のうち、どのセグメントを対象にマーケティングを行うのかを決定します。ターゲティングをする際には、自社の社風やブランドイメージを基準にターゲットを選定していきます。

Positioning(ポジショニング)

ポジショニングは、競合との差別化ポイントをターゲットに示す事を指します。
ターゲットに設置した顧客ニーズに対して、競合とは一線を画した価値をどのように提供するかを定めていきます。そのため、同じ業界内で競合他社と自社の違いは何かを明確にし、消費者に分かりやすく伝える事が重要になってきます。

STP分析についてより詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

STP分析とは?意味や分析方法をスターバックスの事例を交え分かりやすく解説!

 

ターゲティングにおける条件:6R

企業はセグメンテーションを行った後に、自社にとって魅力度が最も高い市場を選定します。
その際の留意点として、6Rが挙げられます。これは、各条件のスペルの頭文字をまとめたもので、自社の経営資源や環境要因といった以下の条件を踏まえてターゲットを総合的に判断していきます。

1.有効な市場規模(Realistic Scale)

この条件では市場規模の大きさを見ていきます。企業はビジネスにおいて利益を上げる必要があり、当然ながら市場は大きい方が魅力的だと捉えられます。だからこそ、ターゲットとする市場は事業は成立する最低限の規模は確保できる市場である必要があります。

2.成長性(Rate of Growth)

市場が大きいだけでビジネスをすると危険が伴います。何故なら、最初は大きくても数年で衰退する可能性があるからです。逆をいえば、最初は市場が小さくても技術発展に伴い市場が大幅に成長する可能性があります。そのため、市場の成長性にも焦点を当てる事が重要なのです。

3.競合状況

市場規模が大きく、成長性が見込まれる市場であればある程、参入企業は多く競争が激化しやすいです。すると、他社よりも高いシェアを獲得する求められ、多額の投資が必要となり収益性が低下してしまう事があります。そのため、ターゲティングにおいては競合も視野に入れる必要があるのです。

4.顧客の優先順位/波及効果(Rank/Ripple Effect)

セグメンテーションにより細分化した各市場の評価もターゲティングでは重要です。周囲への影響力があるセグメントであれば、知人への紹介を介して自社のシェアを上げる事が出来るからです。特に、新商品に対する興味関心は顧客の特徴が強く反映されるため、オピニオンリーダーのような情報発信者が存在するかを見る必要があります。

5.到達可能性(Reach)

地理的理由などで、自社の製品サービスを利用出来ない顧客はターゲットから外します。また、顧客リストを入手できなかったり、情報伝達手段が少ない層もターゲットから除外すべきです。マーケティング活動において必須となる情報が少なければ、自社の製品サービスがされる機会が低くなるからです。

6.反応の測定可能性(Response)

到達可能性でも見た通りマーケティングは情報が大切であり、それは顧客満足度の観点などからでも入手する事が出来ます。これらの情報を基にして、何故商品が売れない/売れているのかを明確にし、広告で訴求する内容や商品を改良し次に繋ぎます。そのため、反応を簡単に測定できるセグメントはターゲット選定において優先され、そうでないセグメントの優先順位は下がります。

ターゲティング戦略の成功事例

ここまでターゲティングにおけるフレームワークを見てきたことにより、魅力的な市場を選定するイメージは掴めたと思います。では、次に適切なターゲティングによる成功事例を紹介していきます。

スノーピーク:キャンプ

2013年時点におけるオートキャンプ人口は750万人であり、日本の総人口の約6%しかいませんでした。

そこで94%の非キャンパーをターゲットにし、「アーバンアウトドア」のコンセプトを生み出しました。スノーピークの提供する本質的な価値は「人間性の回復」であり、非キャンパーに都会で自然を楽しんでもらう事を目標にしました。

同社は非キャンパーを魅了するためにアパレルにも力を入れ、結果としてアーバンアウトドア事業、アパレル事業は成長を遂げ、10年間で売上規模を4倍以上に伸ばしています。

資生堂:シーブリーズ

元々、シーブリーズはターゲットを「マリンスポーツを楽しむ若い男性」にしていました。そのため、広告では海で使用するシーンを流し、肌トラブルを解消する日焼けケア商品として売り出していました。

しかし、売上は低迷し2006年にはシーブリーズの提供する本質的な価値「ナチュラル+エイド」のイメージを訴求するするが、あまり効果は表れませんでした。

そこでターゲットを調査して分析したところ、約8割の人がシーブリーズのイメージを夏または海と回答したが、75%の若者が海やプールへ行く機会が減った/行かないと回答。

これを受け、広告では海から街や運動後へ使用シーンを変更し、「日焼けケア」から「汗ケア」として製品コンセプトを変えパッケージも再構成しました。ターゲットも高校生や流行のカギを握る女子高生へと変更しました。

これらの大改革の結果、売上が回復し人気を取り戻す事に成功しました。

まとめ:ターゲティングは成功のカギを握る

ターゲティングはビジネスにおいて重要な役割を果たします。適切なターゲティングが出来れば、成功への近道になります。その過程において、6Rを意識して総合的にどの市場を選ぶかを判断する必要があります。市場を正確に分析し、自社の目標に合ったセグメントを選ぶことがターゲティングでは求められています。

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