ピア効果とは?意味や事例を踏まえてマーケティングへの活用法を解説!

ピア効果とは

ITの普及に伴い、今ではSNSによる情報共有が当たり前の社会となりました。SNS上の口コミや紹介で何かを購入した方も多いのではないでしょうか。現代では、他人の投稿に触発され自分も同じ商品や店を利用する人が増加傾向にあります。

特に、TikTokやInstagramを始めとしたSNSマーケティングでは、この特性を利用した戦略が注目を集めています。その際に活用される心理効果の1つが「ピア効果」です。

以前は教育業界で使用されていた用語ですが、時代の変遷に伴いwebマーケティング業界にも浸透しつつあるのです。そこで、今回は「ピア効果」についてメリットや事例を踏まえて解説していきます。

    目次

ピア効果とは

ピア効果とは、境遇や立場が似た仲間同士が共感や切磋琢磨し合う事で個人としての能力を底上げする効果を指します。元々は教育現場で使用されており、難関大学を目指す生徒同士が互いに刺激して学力を高める様子などが例として挙げられます。

参考:bizhint|ピア効果

近年、ユーザーが身近な人や憧れの有名人の情報を簡単に入手できるSNSに「ピア効果」をマーケティングの観点で活用する場面が増えてきました。

例えば、インフルエンサーがInstagramで映えるパフェ店の写真を投稿したことによりフォロワーが触発されてその店を利用する事などが挙げられます。加えて、いいね数・コメント数が多い投稿は高い注目度に加えて、ユーザーからの信頼性も高いためインフルエンサーに宣伝を頼むインフルエンサーマーケティングの場面でも活用されています。

また、特定ユーザーからの一方的な情報発信だけではなくユーザー同士のリプライにより、製品サービスの利用をより活発的に促進する事が可能です。このようにお互いのやり取りによる相乗効果で高め合う様を「正のピア効果」と言います。「正のピア効果」は売上向上だけでなくブランドイメージの向上にも役立ち多方面から注目されています。

しかし、反対に製品サービスの悪い口コミや投稿がされた場合は「負のピア効果」を生んでしまいます。SNSでは、誰もが簡単に情報発信できる事に加えて知人の口コミを真に受ける可能性も高いです。

例えば、「このボールペンは使いにくい」「あの店の肉は硬かった」などの投稿をSNS上で見たユーザーはその店を利用する可能性は低いでしょう。実際に、境遇や立場が似た知人から店に関する悪い話を聞けば聞くほど、その店を利用する可能性は遠ざかります。
これが「負のピア効果」であり、一度負のピア効果が生まれてしまうと元の状態もしくはそれ以上の評価を得る事は難しいでしょう。反対に「正のピア効果」は実態以上の口コミが寄せられる事もあるため、簡単に製品サービスが受容される事も往々にしてあります。

ピア効果を利用したマーケティングを展開する場合は、「負のピア効果」によるリスクも入念に抑えた上で取り組むようにしましょう。

ピア効果のメリット

ここでは、人材育成面・マーケティングにおけるピア効果のメリットを解説していきます。

生産性の向上

同じ志や目標を持つ社員同士で競い合ったり、共通目標へ向かい互いが時間を惜しんで努力することで生産性は大きく向上します。これを相互モニタリング作用といいます。

また、この作用を働かせて生産性を向上させる際は、企業もインセンティブを付与する等して競争要因を作るなど工夫が必要です。これにより、ピア効果を人為的に作用させることが出来ます。

SNSユーザーによる情報拡散

仲間と共感して能力を高め合う点において、SNSはピア効果と非常に親和性が高いです。例えば、美容に気を使うユーザーが新たなコスメ用品の投稿をすると、その人をフォローする同様の意識を持つユーザーがコスメを購入する可能性が生まれます。

そして、そのユーザーが購入した商品をSNSで投稿することで「正のピア効果」が生まれます。この流れで、商品に関する広告宣伝費をあまりかけずとも高い投資対効果を見込めるのです。

ピア効果を成功させる3つのポイント

ピア効果のポイント

この章では、ピア効果を用いたマーケティングを成功させるポイントを紹介していきます。具体的なポイントは挙げればキリがありませんが、ここでは特に大事な4つのポイントを見ていきましょう。

1.ターゲットの選定と理解

ピア効果を用いたマーケティングに限らずどのビジネスにも通用する話ですが、ターゲットの選定はしっかりと見極めていきましょう。仮に、適切なターゲットを選定できていないと、自社の社風にそぐわないインフルエンサーに案件を依頼したことにより、思うような効果を得られない事もあり得ます。

そのため、ターゲットを選定する際は「自社の目指す像と適切か」「SNSをどのように活用しているか」「トレンドは何か」といった指標を用いて絞り込むようにしましょう。ターゲット選定についてもっと詳しく知りたい方は合わせてターゲティングとは?具体的な意味や成功事例を分かりやすく解説の記事もご覧ください。

2.心理的距離を縮める

ピア効果の根源にあるのは「同族意識」です。そのため、SNSマーケティングではユーザーに仲間意識を芽生えさせ、距離感を縮めていくことが大切になります。例えば、シャープのTwitterアカウントは、良い意味で企業アカウントっぽくなく、身近な友人がするようなツイートを載せています。

その中でも、ファンとのリプライやリツイートによるやり取りをしたり、他企業の投稿に反応して盛り上げる等してユーザーに親近感を抱かせファンを創出しています。以上からも分かるように、企業と顧客の台頭で身近な立場を創出する事で、大勢の心を掴めるわけです。

参考:SHARP シャープ株式会社

3.インフルエンサーの活用

インフルエンサーは、多くのフォロワーやいいね・コメントの数を有し、彼らが紹介した製品サービスに対する興味を上手く引き出せれば少ない宣伝費用で大きな効果を得られるでしょう。YouTube上の案件を始めとして、InstagramやTwitterなど多くのSNSでインフルエンサーマーケティングは活用されています。

例えば「乾燥肌の私が気になる保湿クリーム」という名目の商品紹介を基に、同じ乾燥肌のファンが投稿者に憧れて製品サービスを利用するシーンなどが挙げられます。

ここで注目すべきなのが「ステルスマーケティング(通称:ステマ)」です。近年では、ステマによりインフルエンサーのイメージダウンや宣伝された企業や製品サービスのイメージダウンが起きる事件が多く発生しています。そのため、インフルエンサーを活用する際は投稿内容に十分注意して取り組むようにしましょう。

ステマによるイメージダウンは宣伝主と依頼企業のどちらにも非があります。そのため、インフルエンサーに製品サービスの宣伝を依頼してもらう際は、投稿主に任せきりにするのではなく企業側も投稿内容を確認して入念にリスクマネジメントをしておきましょう。

まとめ

ピア効果は今後webマーケティングにおいて一層重視されてくるでしょう。「正のピア効果」を発揮したならばその恩恵は大きい一方で、「負のピア効果」に一度陥ると回復には相当な努力を要します。

そのため、ピア効果を用いたwebマーケティングを行う際は何を目的としてどの層から支持されたいのかを明確にする事は勿論、ターゲット層がどのように生活しているかの動向をしっかりと押さえて取り組みましょう。

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