ZMOTとは?現代マーケティングで絶対理解すべき理論を紹介

ZMOT  サムネ

インターネットが普及し、スマホ1つで調べたいものを簡単に調べられるようになったネット時代。そのような時代で、消費者は日常生活においてどのようなプロセスを経て製品サービスを購入するのでしょうか。マーケッターの方であれば誰もが考える命題です。今回はその答えのカギを握る、購買意思決定モデルの1つであるZMOTについて解説します。

    目次

ZMOTとは何か?

ZMOT 図

引用元:The Zero Moment of Truth for Insurance Study

「ZMOT:Zero Moment of Truth」とは、2010年にGoogle社によって提唱された、顧客は来店前にインターネットで情報収集し購買する製品サービスを決定しているという購買意思決定モデルです。元々、2004年にP&G社が提唱した「FMOT:First Moment Of Truth」と呼ばれる、「消費者は店舗に陳列された製品を見た最初の3秒~7秒の間にどれを購入するか決定する」という理論から発展された考え方です。スマートフォンの普及に伴い、消費者がインターネットにアクセスしやすくなったことから、ZMOTを意識したマーケティングは重要性を増しています。

ZMOTが登場した背景

ZMOTが登場した背景には、消費者のライフスタイルの変化が関係しています。これまでは、マスマーケティングにより大量生産した製品が皆の同一ニーズを満たす事が出来ましたが、モノに対する充足が進むと次は心の充足を求めるようになりました。そして消費者のニーズが多様化し、各々が異なるニーズを持つとどれが最適な製品サービスかといった情報を自ら探すようになりました。また、この流れを手助けするようにスマホの普及に伴いインターネットに簡単にアクセス出来るようになったため、目当ての製品サービスの情報収集を行う事が当たり前になる時代が訪れました。

実際に、2021年時点では78%の消費者が非日用品を店舗で購入する際には、事前にインターネットで情報収集しています。口コミサイトやSNSのようなプラットフォームの登場もこの行動を後押し、簡単に欲しいモノの情報収集が出来るのです。この時代背景においてZMOTは登場したのです。

参考:株式会社Pathee 実店舗来店前のネット利用に関する調査

ZMOTを意識した戦略がなぜ重要?

ZMOTはこれまでの消費者の購買意思決定モデルよりも一段階レベルアップした考え方です。そのため、求められるマーケティング技術のハードルは必然的に高くなりますが、ZMOTを侮ってはいけません。ZMOTを上手く活用できれば、消費者を簡単に囲い込める可能性があるのです。ここでは、ZMOTを意識した戦略がなぜ重要なのかについて解説をしていきます。

購買率が向上する

これまでに解説した通り、現代では大半の消費者が気になる製品サービスについてインターネットで調べています。そのため、ZMOTを意識した戦略を立てていれば、自社サイトに訪れた見込み客に対して購買欲求を煽るアプローチを仕掛けることが可能です。これまでは立ち上げていなかった自社メディアを新たに運用するなどして、自社の魅力を分かりやすく伝えると良いでしょう。

インターネットが持つ拡散力の影響

インターネットは非常に拡散力があります。特に、SNSではユーザーが気になる製品サービスの情報共有が毎日行われています。また、レビューサイトなどでの口コミが高評価であれば、その声に影響を受けたユーザーが新たに自社製品を購入する確率も上がるのです。

ITが浸透している社会

当たり前の話ですが、テクノロジーの発展により消費者の便益はかなり向上しています。また、時代が進むにつれてITと私達の切っても切れない関係が結ばれて行きます。この流れの中で、IT化に対応できない企業は衰退していくことは誰しもが分かる事でしょう。つまり、インターネットで情報収集をする消費者行動に合わせたマーケティングをしないと、競合他社に遅れを取ってしまうのです。これからのITはもっと発展し、それに伴いインターネットでの情報収集が当たり前になっていきます。そのような社会において、ZMOTを念頭に置いたマーケティングをしなければなりません。

ZMOTを活用したトリプルメディアの戦略

ZMOTを意識した戦略の重要性は理解できたものの、具体的な施策が思いつかない方もいるのではないでしょうか。そのような方向けに、この章ではトリプルメディアを用いた戦略を解説しています。ここでいうトリプルメディアとは「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」を指します。ここでは、トリプルメディアについて分からない方のために「ペイドメディア:テレビ」「オウンドメディア:自社サイト」「アーンドメディア:Twitter」と仮定しましょう。

ある社会人が、仕事の隙間時間にテレビを見ていた際にCMで流れた商品に興味を持ち、その会社の運営するサイトにアクセスしたとします。そして、ZMOTの流れで購入した商品をTwitterで宣伝した場合、もう1つ無料でもらえるキャンペーンを打ちます。すると、その商品欲しさに消費者が次々と情報を拡散し、気になった消費者がZMOTを経由して商品を購入する正の循環が起こるのです。まさに、ZMOTを活用したトリプルメディアの戦略と言えるでしょう。

まとめ:時代に合わせたマーケティングが大切

現代マーケティングにおいて、企業はZMOTを意識した活動が推奨されています。また、この流れは今後も変わらないどころか、ますます重視されていくでしょう。そのような中で、ITを手に取ったマーケティングを展開する企業は伸び、逆にアナログな企業は業績が伸び悩むと言われています。消費者は時代や環境の変化に適応し、自分のニーズに合う製品サービスをいつの時代も受容してきました。当然、その消費者を相手にビジネスをする企業も時代に合わせて、消費者の心を掴むマーケティングを展開しなければなりません。

 

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