SCPモデルとは?|業界分析と収益性分析について事例を交えて解説

企業は事業経済性(規模の経済などによるコスト低減)を最大に効かせることが出来れば高い収益性を維持できるのでしょうか。この問いに対する答えは「はい」でもあり「いいえ」でもあります。何故なら、企業は独立して活動しているのではなく業界内の競合他社やその他ステークホルダーなどと影響を与え合って活動しているからです。

今回は企業活動を行う上で収益を創出する出来るのか否かを考えるための指標であるSCPモデルについて解説します。新たに起業を考えている方や新商品の開発を任された方は是非今回の記事を読まれると良いでしょう。

SCPモデルとは

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SCPモデル(Stracture-Conduct-Performance)とは、1930年代に提唱された「企業のパフォーマンスは独自の企業活動だけでなく、その企業が置かれている環境からも影響を受ける」考え方を指します。このフレームワークは、業界構造を的確に捉えたうえで企業構造を考え、そのうえでの業界全体のパフォーマンスが企業の収益性にどの程度結びつくのかを検討するための指標です。

例えば、超人気飲食チェーン店があるとしましょう。この企業は47都道府県に店舗展開をしており、ファミリー層に人気があります。特に、夜のお酒を提供する時間が一番収益を上げられる時間とします。この調子が崩れる事が無ければ、半永久的に利益を生み続けるでしょう。しかし、そんな甘い話はありません。企業は外部環境の影響も被るのです。その典型例として、コロナウイルス蔓延による業界構造の変化が挙げられます。

コロナウイルス感染拡大防止のために自粛要請が政府から出された結果、緊急事態宣言に伴い酒類の提供は午後8時までとなりました。これを受けた人々は、家庭内にコロナウイルス感染者を誰1人として出さないように、家族全員が外出を控えるようになりました。

この結果、飲食全体業界は雲域が怪しくなり、その影響を受けた企業構造にも多くの支障が出ました。そして飲食業界のパフォーマンスが低減し、その打撃を受けた各企業の収益性が激減したのです。上記からも分かる通り、企業の収益性は外部環境と密接に関係があるのです。

参考:グロービス知見録

企業構造(ビジネスモデル)と収益性

ここまで見て分かる通り、企業は如何なる良い製品を開発し世に広めようと思ったとしても、業界内の競合他社やそれを取り巻く景気などの外部環境が悪かった場合には収益には結びつきません。

その一方で、他業界と比べると企業構造が確立されていないにも関わらず、きちんと収益性を確立している企業がいるのも事実です。

パソコンの利益率

皆さん御馴染みのパソコン事業。パソコン1台に内蔵されている部品数はなんと数千個~数万個に及びます。流石、時代の最先端を走るパソコンなだけあります。勿論、パソコンのパフォーマンスはピンキリにはなりますが、とても高性能なのは言うまでもありません。

そのため、その性能に比例してパソコンの代金はとても高価なものになります。しかし、実はパソコン事業は物凄く利益率が低いのです。中には原価割れを引き起こす企業も存在します。

これ程の高性能なパソコンを提供しているにも関わらず営業利益率が低いのはレッドオーシャンで競争しているからです。反対にブルーオーシャンであったり、競争が激化していない地域であれば簡単な企業構造でも稼げる場合があります。

新たにビジネスを立ち上げる際は、外部環境をしっかりと分析して収益性を見極める事が必要であるということがよく分かる一例です。

アップル社iPhone

Apple社の提供するiPhoneが属するスマートフォン業界は、パソコン業界とは正反対の業界構造であり利益率も全く異なります。

iPhoneは年々利益率が低下していると叫ばれているものの、依然として利益率は高くiPhoneXsの利益率は約60%にも及びます。これ程までに高い利益率を維持する理由の1つは、競合他社が少ない上に、自社で工場を持たない独自のビジネスモデルが功を奏しているからです。

このように競合他社が存在しないブルーオーシャンであれば、高い利益率を誇ることも可能です。しかし、必ず後発企業が後追いで業界に参入してくるため、参入障壁が高く独自のビジネスモデルを展開する事が必須となります。

まとめ~収益性を見極めよう~

新規事業を展開するには必ず業界分析・競合分析を行った上でその業界に参入するのか否かを見定めましょう。そうすることでリスクマネジメントを強固なものにする事が可能です。また、如何なる良製品を製造したとしても製造コストが高かったり、それを独自の物に出来なかったらそこで稼いでいくことはできません。こうした事態を避けるためにもSCPモデルを通して分析していくことは必要なのです。

しかし、SCP分析は細かな分析指標が提示されておらず、多少雑多な部分もあります。それを具体的な戦略として発展させたのがポーターの唱えた5フォース分析です。是非一読ください。

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