情報の非対称性とは?マーケティングにおける重要性を解説

情報の非対称性 サムネ

ビジネスの世界では度々、情報の非対称性という言葉が使われます。これは、価格や市場に品質の良い製品がどれほど出回るのかを規定する上で欠かせない用語です。経営やマーケティング、交渉の世界で広く用いられる「情報の非対称性」という用語を今回はマーケティングの観点で解説していきます。

情報の非対称性とは

情報の非対称性は、ビジネスの世界において非常に重要な役割を果たしています。三井住友DSアセットマネジメントは、情報の非対称性を下記のように定義しています。

商品やサービスの売り手と買い手の間、または企業と投資家など異なる経済主体の間で保有する情報に格差があること。株式市場では、情報の非対称性を解消するために、重要情報を知る企業関係者らの取引を禁じるインサイダー取引規制などが設けられています。

引用元:三井住友DSアセットマネジメント

例えば、買い手である消費者がある商品を購入したい際、売り手である企業と比較して商品に対する情報を十分に持ち合わせていません。そのため、買い手はインターネットや商品の販売員に問い合わせるなどして必要な情報を収集します。しかし、そのような行動をしても商品に関する十分な情報を得られない場合もあります。この時、商品の売り手と買い手の間に情報格差が生じ、売り手が「情報優位性」を獲得している一方で買い手は「情報劣勢」の立場にあります。まさに、この情報格差を情報の非対称性と呼びます。情報の非対称性があると、買い手や売り手の持つ情報量が対等ではないため、立場上の差が生まれるのです。

マーケティングにおける情報の非対称性

り手の交渉力と買い手の交渉力

マーケティングと情報の非対称性は切っても切れない関係にあります。何故なら「売り手」である企業は、構築した情報優位性を基にビジネスを展開することで、「買い手」に自社製品を高値で購入してもらえるからです。情報の非対称性を基にしたビジネスにおいて、基本となる考え方が「売り手の交渉力」と「買い手の交渉力」です。この章では、この2つを解説していきます。

売り手の交渉力

売り手の交渉力とは、商品の供給業者が持つ商品販売力を指します。売り手の交渉力が強いと、高値で商品を買ってもらえ多くの利益を創出できます。そのため、多くの企業は売り手の交渉力を出来るだけ保持しようとします。

売り手の交渉力が強くなる主な要因として、寡占状態で買い手の選択肢が限定されていることや、スイッチングコストが高いことが挙げられます。この力は、売り手の方が買い手よりも情報量を多く有しているほど強まる傾向にあります。GoogleやAppleは、数少ないスマホアプリのプラットフォームを運用しており、競合も少ないため多くのアプリの提供会社から多くのマージンを得られています。

買い手の交渉力

買い手の交渉力とは、売り手から見た買い手(顧客)の持つ利益削減圧力です。この力が強くなるほど買い手は都合良く商品を購入できる度合いが高まります。買い手の交渉力が高くなる要因には、他社製品にすぐにスイッチできることや製品が差別化されておらずどの製品を利用しても変わらないこと、買い手の企業規模が大きいこと等が挙げられます。

最近では、スマホが広く普及したことにより消費者は欲しい商品情報を簡単に入手できるようになりました。また、それだけではなく製品の比較を容易に出来るようになったため、マス広告が主流であった以前の時代よりも買い手の交渉力(ここでは消費者)が高まる傾向にあります。

売り手が情報の非対称性を高めるための手段

では、売り手である企業が情報の非対称性を高めて利益を多く生むにはどうしたら良いのでしょうか。答えは、買い手の欲望を理解する事です。そのためには、買い手を分析し、彼らは何を求めているのかを知らなければなりません。ここでは、実際に売り手が情報の非対称性を高め、利益を上げるための手段を3段階に分けて解説していきます。

①買い手の市場の情報収集や分析

売り手は、自社製品を利用してもらうために相手を知っておかなければなりません。そのために、まずは買い手の生活市場や販売市場に関する情報収集や分析を第一に行いましょう。買い手はどのようなニーズを持っているのかを把握する事で、製品コンセプトや交渉をどの方向へ設定すべきかが明確になります。

②買い手の購入の決め手を理解する

買い手は、最終的に数多くある製品サービスの中から限られた必要な分のモノを購入します。選ばれた製品サービスには、決め手となった理由が必ず存在するためそれを明らかにする事が大切です。例えば、パッケージや価格、利便性やコストパフォーマンスなどが購入の決め手として挙げられます。顧客の抱えるニーズを理解し、何を持って製品サービスを利用するのかを明らかにすることで、差別化に繋げ自社に有利なビジネス展開が可能になります。

③具体的なコミュニケーション戦略の立案

買い手に対する十分な情報が手に入ったら最後に、買い手に響くメッセージの訴求などのコミュニケーション戦略を立案しましょう。

どのようなニーズを満たし、他の製品サービスに対してどこが優れているのかをアピールし、買い手にアプローチする事が大事です。そうする事で、他社ではなく自社の製品サービスでなくてはならない理由が確立され、売り手の交渉力が一気に高まります。消費財の場合だと、ネーミングや分かりやすいパッケージで視覚を上手く刺激出来ると一気に売上が高まります。代表的な例として、キレイキレイや虫コナーズが挙げられます。

まとめ

情報の非対称性は、上手く扱えば自社に有利なビジネスを展開できます。しかし、目先の利益だけを求めるとモラルハザードと呼ばれる、倫理観が欠如したビジネスに走ってしまう可能性もあります。そのため、情報の非対称性を基にビジネスを展開する際は細心の注意を払うようにしましょう。

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