フリーミアムモデルとは?ポイントや事例を解説

フリーミアム サムネ

皆さんは無料アプリはどこで収益を確保しているのか気になったことはありませんか??あるいは、今まさにWebサービスで起業したものの収益化出来るか不安な人もいるでしょう。そのような疑問や悩みを解決してくれるのが、フリーミアムモデルと呼ばれる戦略です。今回は、このフリーミアムモデルについて詳しく解説をしていきます。

    目次

フリーミアムとは

フリーミアム(フリーミアムモデル)とは、名前の通り最低限の機能をフリー(無料)で提供し、顧客獲得をした後、ユーザーに課金してもらう事で利益を上げるビジネスモデルです。

このビジネスモデルはIT化が進む現代において、私たちの身の回りでとても多く活用されてきています。例えば、スマホゲーム・Zoom・Lineなどありとあらゆるジャンルで登場しています。

フリーミアム(フリーミアムモデル)を成功させるには、如何にしてFree(無料)ユーザーをPremium(課金)ユーザーに誘導できるかが肝となります。

また、事業内容や投資費用の規模により異なりますが、全ユーザーのうち5%のユーザーが有料プランを利用していれば、安定した収益を確保していると判断する事が出来ます。

ジレットモデルとの違い

フリーミアム(フリーミアムモデル)と似た戦略の1つにジレット・モデル(レーザーブレード・モデル)があります。

ジレット・モデルは製品の本体価格を無料または低価格で販売し、製品の付属品を定期購入してもらう事で持続的な利益を確保するビジネスモデルです。

コピー機(本体)とインク(付属品)、携帯電話(本体)と通信費(付属品)をイメージすると分かりやすいでしょう。

フリーミアム(フリーミアムモデル)とジレット・モデル(レーザーブレード・モデル)の違いは利用料金の点にあります。前者は利用者は完全に無料で利用できますが、後者はお金を払わなければ使うことはできません。

ジレット・モデル(レーザーブレード・モデル)については当サイトで分かりやすく解説していますので、ジレットモデルの事例を基にメリット・デメリットを紹介し徹底解説をご覧ください。

無料サービスで収益を上げるビジネスモデル3選

サービス 紹介

無料で提供したコスト以上の利益を上げているビジネスモデルはフリーミアムモデルの他にもあります。ここでは、フリーミアムモデルを始めとしたビジネスモデルを3つ紹介しています。

内部補助型

内部補助型では一部の製品・サービスを無料で提供し、その他で無料にした分のコスト+αの売上回収を目指します。

例えば、通販サイトにおける無料配送や、サンプルの無料配布が挙げられます。

これと似た戦略に先ほども紹介したジレット・モデル(レーザーブレード・モデル)が挙げられます。

第三者補助型

第三者補助型は、無料でサービスを利用出来る人がいる代わりに、その費用を第三者が何かしらの便益と交換し負担する仕組みを指します。

私たちはTV番組の視聴代は無料ですが、これは広告主がCMなどの広告枠の費用を負担しているため、無料で利用できるのです。

ボランティア型

ボランティア型はその名の通り、無償で参加する多くのボランティアの力を募り価値を創造します。

主に、口コミサイトを中心に導入されています。食べログやオープンワークなどが例として挙げられます。

フリーミアムのメリット

フリーミアム(フリーミアムモデル)はITの普及に伴い生まれた比較的新しい戦略です。そのため、従来では実現する事が難しかったことが様々な事が実現出来ます。それでは、このビジネスモデルのメリットを下記で見ていきましょう。

利用障壁が低い

フリーミアムは、課金をせずとも最低限のサービスは利用できるため、ユーザーが気軽に手を出しやすいです。そのため、無料であるがゆえにユーザーを大量に確保し、市場でのシェアを築くことが可能になります。

パズドラやモンストは中高生を中心に人気を博しているスマホアプリです。これほどのシェアを築いた背景の1つには、アプリのインストール費用が無料であるため、親の了承を得る事無くサービスを利用出来る点にあります。

プロダクトの理解を得やすい

消費者は有料の製品サービスを利用する際に、金額がストッパーとなりプロダクトの利用を検討する事があります。その際に参考になるのが、資料や利用のデモンストレーションです。

しかし、これだけでは本当に製品サービスに価値があるのか明確にならない場合があります。ただ、フリーミアムであれば、最低限の機能を無料で利用できるため、ユーザーからプロダクトの理解を得たうえで課金に繋げることが出来ます。

フリーミアムのデメリット

フリーミアム(フリーミアムモデル)は利用障壁が低いうえに、プロダクトの理解を得やすいメリットがありますが、かえってデメリットを招く場合もあります。ここでは、このビジネスモデルのデメリットを解説していきます。

収益化が難しい

フリーミアム(フリーミアムモデル)はある程度の機能を無料で利用できてしまうため、ユーザーが課金する価値が無いと判断すれば収益は0です。また、利用者は無料でサービスを利用し始めるため、赤字が前提となります。そのため、収益化が見込めずに市場から撤退する機会を逃すと、いつまでも無駄な投資が増えていくだけになってしまう可能性もあるのです。

利用制限の調整が難しい

フリーミアム(フリーミアムモデル)の収益源は、一部ユーザーからの課金です。そのため、企業は出来るだけ課金ユーザーを増やす必要があるのですが、あまりにも課金ユーザーに優遇した無料ユーザーへの利用制限を設けると、そもそもサービスを利用してもらえない可能性が出てきます。

一方で、無料で利用できる機能が多すぎてもユーザーは課金する価値を見出せないため、収益化に繋がりません。フリーミアム(フリーミアムモデル)は無料利用と有料利用の境界線を敷くことが難しいのです。

 

フリーミアムモデルを成功させるためのポイント

成功のポイント

ここでは、フリーミアムモデルを成功に導くためのポイントを解説しています。ここで紹介するポイントは、どれも成功する上で欠かせない観点です。是非各項目を押さえて自社ビジネスの活性化を図りましょう。

無料サービスと有料サービスのバランスを保つ

フリーミアムモデルを成功させるためには、顧客視点に立ち、課金をする事でより魅力的に魅せる利用制限を設けるポイントを明確にすることが大切です。

これまでの解説でも触れた通り、利用制限が多すぎるとサービス自体を利用しなくなり、利用制限を減らすと課金の価値が伝わらず無料利用に留まってしまうのがフリーミアムモデルの難所でした。

  • 課金する事でより満足したい
  • 課金して制限を開放したら完璧
  • 自分好みの使い方をしたい

このように、提供する無料サービスが魅力的なのは前提のうえで無料サービスと有料サービスのバランスを上手く保つことが、フリーミアムモデルを成功させるための秘訣です。

提供サービスとフリーミアムモデルの整合性を見直す

これは、上述したポイントにも通ずる話ですが、無料会員でほとんどのコンテンツを楽しめるとユーザーは課金をしてくれません。そのため、課金ユーザーと無課金ユーザーが分かれるポイントはどこであるかを定期的に見直さなければなりません。

もし、フリーミアムモデルを導入しているものの無課金ユーザーが多い場合は、無料サービスで殆どの事が完結できるため、ユーザーは有料会員の魅力を感じていないでしょう。これを回避し、多くのユーザーが有料会員になってくれるように、ユーザーが有料会員になる境目を見つけ出し、必要に応じて戦略の修正を図りましょう。

フリーミアムモデルを活用した成功事例3選

では、最後にフリーミアムモデルを活用して成功した企業3つを紹介します。

食べログ:有料会員数170万人突破

大手飲食店口コミサイト「食べログ」はフリーミアム型サービスの典型例として挙げられます。

口コミなどは無料で閲覧する事ができますが、ランキング検索などの一部のこだわり検索機能には制限が設けられています。

そのため、月額300円を支払いプレミアム会員になれば、ランキング検索が出来る他にも話題のお店を手軽に探せる事も可能になります。

食べログを無料で利用する顧客心理はそもそも「食」に関心があるため、有料プランとの親和性が高く成功を収めた一因にもつながった事が考えられます。

New York Times:制限の見直し

ご存知の方も多いかと思われますが、NewYorkTimesはニュース記事を提供しています。

New York Times Onlineは当初、20記事まで無料で記事を閲覧でき、21記事以上は有料プランに変更しないと閲覧できない制限を設けていました。

しかし、有料会員が中々増えないため制限の見直しを行い、10記事までを無料として11記事目から課金しないと閲覧できない仕様に変更しました。

すると、有料会員が劇的に増加し、フリーミアムモデルを成功に導くことに成功したのです。

参考:Making “Freemium” Work by Vineet Kumar

Netflix:無料プランの提供

Netflix(ネットフリックス)は、月額定額制で好きな映画やドラマが見放題のサブスクリプション型サービスです。

同社は、会員情報を登録するとコンテンツを一ヵ月間無料視聴出来る無料プラン(現在は終了)を提供し、気に入れば月額プランに移行してもらう仕組みでフリーミアムモデルを取り入れました。

そうする事で、多くのシェアを築いたNerflixは、プロダクトの理解を得てもらうことで課金へと誘導していったのです。

まとめ:制限の調整が成功を左右する

フリーミアム(フリーミアムモデル)は機能制限の調整が非常に難しい一方で、上手い事調整出来れば多くの利益を見込めるビジネスモデルです。そのため、顧客視点に立ち「無料ではギリギリ手の届かない」ポイントに制限を設ける事が必要となります。これからフリーミアムモデルを活用してビジネスを成功させたい方はこれを押さえておくと良いでしょう。

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