技術者こそマーケティングに携わるべき理由

技術者とマーケティング

日本企業の多くは営業・マーケティング・製造の部門が分かれています。そして、各部門の人々は専門の役割を持ち顧客ニーズを充足させるために自らの力を発揮します。しかし、各部門の連携が上手く取れない場合は企業は十分な利益を上げることが出来ません。では、企業が自社製品を顧客に享受してもらうにはどうしたら良いでしょうか。そのためには、技術者のマーケティング力が関わってくるのです。

消費とマーケティングの関係性

消費者にモノを買ってもらうには、市場の欲望を見つけるもしくは生み出す必要があります。そのために、企業は市場調査などのマーケティング活動を行い、顧客ニーズを充足するための製品を製造します。そうして綿密に企画した製品を市場に流通させる際にも、どのような場所で、どの時間帯に、どのような方法で販売したら最も販売数が増加するかを考えます。これが、消費者に自社製品を消費してもらうために行われるマーケティング活動です。

スマートフォンが登場する以前は、TVCMによるマスマーケティングが大きな役割を果たしていました。しかし、現代ではcookieの技術によりターゲティング広告を流したり、SNSの強みを活用したインフルエンサーマーケティングを行う等、時代に合わせたマーケティングが登場しています。このようにして、目的に応じてマーケティング手法を使い分けて企業は消費を促進しているわけです。

部門間のマーケティング連携

消費者に自社製品を受容してもらうためには、価値を感じてもらわなければなりません。そのために、営業担当者は自社製品の魅力を伝えるために日々営業活動を行います。この時、自社製品が営業相手にとってどのような効用をもたらすかを完璧に伝えられれば問題はありません。しかし、使用されている技術が従来のモノや他社の技術とどのように異なっていて優位性があるのかをきちんと伝えられれば自社製品を受容してもらえないでしょう。

そこで、必要となるのが部門間のマーケティング連携です。市場でのニーズを把握する能力に長けたマーケティング部門と、それを形に落としこめる技術部門、そして出来上がった製品の魅力を伝える営業部門などが上手く連携して初めて消費してもらえるわけです。また、ただ単に部門間で必要な情報を共有するだけでなくスピーディーに行う方が良いでしょう。市場のニーズは年々加速度的に変化するため、連携速度が遅いと自社よりも連携が早い他社に先を抜かれて市場シェアを奪われてしまいます。

技術者こそマーケティングに携わるべき理由

部門間のマーケティング連携において、技術者こそマーケティングに携わる必要があります。なぜなら、技術者こそ製造した製品の魅力を一番理解しているからです。エンジニアを始めとした企画した製品の制作に携わる人は、その製品が何に使用されて、どのようなニーズを満たすのかを理解したうえで製造を行います。また、製品が複雑になればなる程どこに気を付けて製造すべきかを理解していないと、不良品を製造してしまうため一層製品への理解が必要です。そのため、営業に技術者が同行して製品コンセプトの説明をする事で顧客から十分な理解を得られるでしょう。

実際に、営業部隊に技術者が同行して製品コンセプトを説明する企業も存在します。また、その際に顧客ニーズを聞き出して製品改良を出来れば更に良質な製品を市場に出すことができるでしょう。しかし、技術部門と営業部門の連携を図る際には、両部門の役割をある程度はっきりさせていないと技術者の負担が大きくなってしまうため注意が必要です。技術者の営業比率が高まると、本来の技術開発のウェイトが下がり製品開発力が劣ってしまうでしょう。かといって、営業やマーケティングの比重が下がると適切に製品コンセプトを顧客に伝えられずシェアを向上する事は難しくなってしまいます。

マーケティングを鑑みずに技術に特化して開発した場合

マーケティングを理解せずに技術ばかりを向上させても、市場の要望が反映されないため思ったよりもシェアを確立できないでしょう。消費者は自分のニーズに見合う技術が施された製品を手に入れさえすれば良い為、彼らの理解できない領域まで技術を高めても無意味になってしまうのです。

コンピューターのデータを記録するHDDを例に見てみましょう。一般に、ビジネスマンの求めるHDDの記憶容量は、仕事で使う資料を記憶できる程度であれば十分です。つまり、技術のみを向上させて無限に記憶できるHDDが登場しても、それが受容されるかは怪しいのです。

何故なら、技術が向上した分だけ製造コストが増加してそれを回収するために販売価格が上昇するからです。旧型でも良いからコストの安い製品を買おうと考えるビジネスマンが多くなる事は言うまでもないでしょう。こうした事態を防ぐためにも、市場ニーズを理解した上での製品開発を行う事が重要なのです。

まとめ:技術者のマーケティング力は重要

現代では、技術部門は技術のみに集中し、マーケティング部門はマーケティング、営業部門は営業に注力する形態で会社を回す企業が非常に多いです。しかし、これでは消費者からの十分な理解は得られません。知名度の低い中小企業やフォロワー企業であればあるほど、技術者のマーケティング力を重視した方が良いです。そうする事で、完全に分離されている大企業の営業部隊では気づくことの無かったポイントを見つけ出し、市場のニーズをより反映した製品を提供できるようになるでしょう。

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