皆様はDECAXを耳にしたことがあるでしょうか?これは、SNSが到来した新時代における新たな消費者行動モデルの1つですが、詳しく知らない人も一定数いるのではないでしょうか。AIDMAやAISASはご存知の方は、DECAX(デキャックス)を理解する事で一層マーケティングに詳しくなれるでしょう。
マーケティングに精通していない人でも、この用語を知っておくだけでもビジネス上の大きな武器として活用できるでしょう。
そこで今回は、DECAX(デキャックス)について意味や事例を踏まえて詳しく解説していきます!
目次
DECAXとは
DECAX(デキャックス)とは、SNS時代における新たなコンテンツマーケティングの一環としての消費者行動モデルです。
消費者の辿る購買プロセスを「Discovery(発見)」⇒「Engagement(関係構築)」⇒「Check(確認)」⇒「Action(購買・行動)」⇒「eXperience(体験と共有)」の順で表し、各段階の1文字ずつを取って構成されたマーケティング用語です。
電通デジタルによって提唱されたこの用語は、デジタルマーケティングの成功において重要視されつつあります。それでは、下記で各段階の特徴について詳しくみていきましょう。
1.Discovery(発見)
DECAXにおける最初の段階はDiscovery(発見)です。
この段階では、ユーザーが興味を持った対象について検索やSNSで情報収集を行います。ITが普及する以前は、マス広告による集客が一般的でした。しかし、ITが発展し誰もが気軽に欲しい情報を検索できるようになった現代では、気軽に気になる情報を収集出来るため、このモデルが可能となりました。
そのため、これまで主流であったユーザーにアクションを起こさせるためのAIDMAやAISASモデルとは異なり、DECAXではユーザーが自発的に検索する事で成約へ繋がります。
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2.Engagement(関係構築)
ユーザーが発見した情報を起点として、関係を構築する段階です。
この段階では、企業と消費者の短期的な関係ではなく長期的な関係の構築を目標として、様々な工夫が行われています。例えば、自社サイトやブログなどのオウンドメディアではメルマガ登録を促したり、SNSではフォローを推奨したりLINE@に誘導が挙げられます。
そして、消費者の興味関心がある分野つにて情報発信を積極的に行い、信頼構築を築き長期的な関係構築を目指していきます。
3.Check(確認)
消費者は、企業との関係がある程度構築された段階で、興味のある製品サービスのチェックを通じて、自分に合うモノであるかを確認します。
以前よりもネットリテラシーが高まってきた消費者は、すぐに製品サービスを購入せずに提供会社の情報についても調べるようになってきました。そのため、ユーザーが実態が怪しい会社と判断したり、不信感を抱いた場合はこれまで築いた関係も無駄になり、購買には至りません。
4.Action(購買・行動)
ユーザーは確認を終えて、その製品サービスが自分に合い必要であると判断すると、購買に移ります。
この段階では、購買に限らず製品サービスを手に取った段階を購買と見なし、商品カートに入れたものの購買しなかった場合も、購買としてみなされます。
5.eXperience(体験と共有)
この段階では、消費者が購買を通して得た体験を、SNSや口コミサイトにてシェアして評価します。
そのため、この段階で良い評価が広まれば見込み客が増えて顧客獲得単価が下がりますが、悪い評価が広まると購買してくれる可能性は低くなるでしょう。
どうすれば良いレビューが広がるかを考えてマーケティング戦略を展開する事が、DECAXを成功へ導く最後のカギとなるでしょう。
DECAXが重要な理由
現代はITの普及により市場が加速度的に変化し、消費者の購買行動も時代に合わせて変化していきます。
この流れに乗じて、消費者は簡単に欲しい情報を手に入れるだけではなく、発信する事も当たり前となっています。
そのため、インターネット上の情報がどんどん増える現代において、消費者は身近な人やインフルエンサーもしくはレビューサイトの情報を総合的に判断するようになりました。これが起因して、企業から消費者にアプローチしても購買へ中々繋げられない事が多くなってきたのです。
この状況を打破するために、消費者の自発的な行動を基に製品サービスを受容してもらうDECAXが誕生しました。この消費者行動モデルが上手くいけば、購入者の好意的なシェア・レビューが広まり、新規顧客をしやすくなります。この正の循環を生み出し、出来るだけ低コストで顧客獲得するためにもDECAXは重要視されているのです。
DECAXを成功させるためのポイント
単にDECAXを知っているだけではビジネスは成功しません。
製品サービスを多くの消費者に受容してもらうためには、DECAXにおける各段階のマーケティング戦略をしっかりと考えて反映させることが必要です。DECAXについて理解できたものの、どうしたら理想のマーケティングを実現出来るか分からない人もいるでしょう。
そのような方向けに、この章ではDECAXの各段階におけるポイントを紹介していきます。
1.Discovery(発見)のポイント
例え、消費者が気になる商品の検索をしても自社製品に関する情報がヒットしなければ意味がありません。
そのため、自社サイトの運営においてSEO対策を万全に行ったり、SNS上で企業アカウントを作成する等して消費者に見つけられるように工夫する必要があります。自社メディアの力が弱い場合は、リスティング広告を掲載する事も視野に入れておきましょう。
2.Engagement(関係構築)のポイント
メルマガ登録や自社アカウントをフォローしてもらえたとしても、情報発信の回数が少ないと消費者は離れてしまいます。また、消費者の知りたい情報を発信しないと、望みの情報が手に入らないと感じて購買から遠ざかってしまうでしょう。
これを回避するために、定期的な情報発信は勿論、消費者の興味関心のあるであろう情報を発信する事を心掛けるようにしましょう。
3.Check(確認)のポイント
多くの消費者が自社や提供商品を知っているだけでは購買に繋がりません。何故なら、信憑性が低かったりグレー商法を用いている場合、消費者に嫌煙されてしまうからです。
そのため、消費者がチェックする情報の提供者にアフィリエイト報酬や紹介料を付与する事で、好意的な紹介を促して消費者の囲い込みを行うなどの工夫をすると良いでしょう。この段階では、どのようにすれば好意的な意見が増えるのかを意識して取り組むようにしましょう。
4.Action(購買・行動)のポイント
購買の段階では、消費者がスムーズに欲しい製品サービスを購入出来るように工夫するだけでも効果が表れます。例えば、購入ボタンやカートに入れるボタンを製品の近くに設置するなどが挙げられます。
メルカリは出品ボタンの視認性向上に努め、誰もが簡単に出品できるように工夫したことで出品数の底上げを実現しました。
5.eXperience(体験と共有)のポイント
この段階では、第一に口コミの量を増やす事に焦点を当てましょう。そのために、SNS投稿やレビュー投稿によるインセンティブを設けたり、自社商品に関する投稿が一定いいね数を獲得すると特典を付与する等の施策が挙げられます。
また、低評価の口コミを減らして高評価の口コミを増やす事も重要です。ある消費者の投稿を契機として、スムーズに新規顧客獲得出来るようにポジティブな投稿をしてもらえるように促しましょう。
まとめ
DECAXは、ITが広く普及した現代における新たな消費者行動モデルです。
このモデルは、今後も重要性を高め重宝されていくでしょう。DECAXは各段階がスムーズに進む事で初めて成功します。
コンテンツマーケティングが重んじられている現代において、DECAXの理解を深めておくことで消費者の囲い込みに一層拍車がかかるようになるでしょう。
参考:「コンテンツマーケティング」対応の新たな購買行動モデル–電通・内藤敦之氏が提唱
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