コーポレートブランドとは?意味やメリット、作り方を分かりやすく解説

コーポレートブランドは、企業の収益に大きく関わるブランド概念です。企業がビジネスを展開する以上、付きまとうブランド資産であり2000年代に入り、コーポレートブランドの確立が一層重視され始めました。しかし確立のために長期間にわたり取り組む必要があったり、考えられうる施策も多いため、何をしたら良いのか分からない方もいるのではないでしょうか。

そのような方向けに、この記事ではコーポレートブランドについて意味やメリットを始めとして、進め方や施策・事例を紹介しています。

    目次

コーポレートブランドとは

コーポレートブランド(企業ブランド)とは、ブランドに関わる人が企業に対して抱く無形のブランド資産を指します。企業名や展開する全ての製品サービスに関わるブランドともいえるでしょう。コーポレートブランドは、企業そのものを表すことから「カテゴリーブランド」「商品ブランド」「事業ブランド」などの最上位に位置し、企業のイメージを左右します。例えば、「車のトヨタ」「GAFAのApple」などその企業名をひとたび聞けば凄さが連想されるような場合、強いコーポレートブランドが確立されていると言えるでしょう。

参考:コーポレートブランド|グロービス経営大学院

2000年代に入り、多くの企業がwebサイトなどの自社メディアを持ち始めたことにより、コーポレートブランドは一層強化するべきであるとの見方が増えてきました。時代が進み、現代ではwebサイトだけでなくSNSなどでもコーポレートブランドを向上させるための取り組みを見ることが多くなりました。

コーポレートブランドを確立するメリット

消費者は、製品サービスを見た際にパッケージや企業名からどのような連想をするかで大きく購買行動が変わってきます。コーポレートブランドを見た際に、良い印象と悪い印象のどちらを想起するかは企業努力に左右されるでしょう。

企業に対するイメージは、長い間をかけて形成されるため取り組みには努力を要しますが、そのメリットは大きいです。ここでは、そのメリットを5つ紹介しています。

チャネルの強化

メーカは商品ごとにブランドを確立するよりも、企業全体としてのブランドを確立した方が、消費者を「あの企業の商品だから購買してみようかな」と購買に近づけやすくなります。そうすると、企業は商品ごとではなく企業全体の商品量でボリュームを出せるようになり必然的に交渉力も高まるでしょう。

BtoBにも強くなる

BtoBビジネスを展開するメーカーでも、コーポレートブランドが確立されていれば様々な会社から重宝されるようになります。広告業界は「電通・博報堂」、コンサルティング業界は「BCG・マッキンゼー」などが挙げられます。これらの企業は強いブランドを構築している為、自ずと様々な案件をクライアントから任されるようになります。

メッセージが明確になりやすい

コーポレートブランドが確立されていると、消費者だけでなく従業員も企業と商品のメッセージを受け取る事が出来ます。その結果、自社ブランドについて情報整理がしやすくなり、目指すべきブランド像へ歩みをそろえてビジネスを展開することが可能になるのです。

外部リソースを確保しやすい

投資家たちは企業の業績や安定性などを指標として投資します。そのため、コーポレートブランドがしっかりと地に付いている場合、彼らが投資をする可能性は高まるでしょう。GAFAの株を皆がこぞって買うのも、強いコーポレートブランドが背景にあるからだと言えます。

顧客からの信頼が増す

商品だけのブランドだけでなく、会社としてのブランドが広く認知されている方が信頼を得やすいです。「このメーカーの出している商品だから安全」「このメーカーの服の質はとても良い」などの評価を受け、購買に繋がる事が多くなり、その情報が拡散される事でさらに顧客を呼び込みやすくもなるでしょう。

コーポレートブランドの作り方

上記で見た通り、コーポレートブランドをひとたび確立できれば、BtoBやBtoCビジネスにおいて有利に立ち回れるだけでなく投資の機会も増やす事が出来ます。

では、一体どのようにしてコーポレートブランドを作ればよいのでしょうか。また、作り上げたとしても皆が同じブランドイメージを有していなければ、強いブランドが育つことは無いでしょう。

ここで、コーポレートブランドの作り方やその工程において重要な事を書いていますので、しっかりと目を通して理解を深めておきましょう。

現状における自社のポジションを知る

コーポレートブランド作りにあたって、自社のポジションを知ることは非常に大切です。また、このポジションは出来るだけ客観的な視点で捉える事をオススメします。自社のイメージと消費者のイメージに認識の齟齬がある場合、自社の設定したターゲットに対して適切なアプローチを取れません。

そのため、リサーチや市場調査などを通して消費者から生の声を拾い上げることが大事になってきます。そうすることで、消費者の自社に対するイメージを知ることができ、「誰に」「何を」「どのように」提供すべきなのかが明確なり、売り上げの向上に繋げられます。

しかし、消費者の声だけが全てではありません。臨機応変に消費者の抱くブランドイメージと自社の展開するビジネスとの親和性を伺いながら、コーポレートブランドを作ることを心がけましょう。

自社ブランドと目標を定義する

市場における自社のポジションを把握したら、次は自社ブランドと目指すブランド像を定義しましょう。この時に注意したいのが、目標と定義を会社が思うままに設定しないようにする事です。

ブランド作りでは、従業員だけでなく消費者や取引先を含めたステークホルダーに価値観や理念を共感してもらえることが重要です。ユニクロやGUがGucciやPRADAのようなラグジュアリーを販売しても、多くの消費者はその価値観に共感してくれず、赤字で終わってしまう可能性が高いでしょう。

また、目標もあまりにも理想のブランド像を掲げていると、消費者の抱くイメージと自社のポジションが乖離が生じてしまいます。そのため、その業界や風土、時代に合った価値観に合わせて目標を設定するようにしましょう。

まとめ

コーポレートブランドは、ブランド戦略において最も上位に位置するブランドです。

企業のブランドイメージが良いものであれば売上は向上し、逆に悪ければ売上は低迷してしまうでしょう。また、その確立には緻密な戦略が必要で、成果が出るまでにかなりの時間がかかります。

しかし、商品群での差別化だけでは差がつきずらい現代において、コーポレートブランドにより差別化を図る事は非常に大切な意味を持つでしょう。自社と全てのブランド関係者の間でブランドの認識に齟齬が生じないように、慎重にコーポレートブランドを確立するようにしましょう。

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