ブランド・アイデンティティとは?意味と事例を分かりやすく解説

ブランド・アイデンティティとは

消費者の購買活動において「このブランドの商品だから買う」といった、ブランドに依存した買い物をする景色が見られることは少なくありません。この現象は、ラグジュアリーに限らず数百円程度で買えるような差別化の難しい製品でも見られます。

では、実際にブランドの与える印象はどのように形成されているのでしょうか。その答えは、ブランド力のカギを握るブランド・アイデンティティにあります。今回は、このブランド力を規定するブランド・アイデンティティについて意味や事例を踏まえて解説していきます。

ブランドとは

ブランド・アイデンティティについて考える前に、ブランドの意味を定義しておく必要があります。グロービス経営大学院では、ブランドを下記のように定義付けています。

ブランドとは、顧客と企業の共通の認識であり、また、顧客に期待を促し、それに応えるものと言える。

引用元:ブランド|グロービス経営大学院

つまり、ブランドはロゴや記号などの形として現れるモノだけでなく、企業と生活者で共通認識を取れる考えも指します。よって、単に高級素材だけでなく「高級なイメージ」や「美しい見栄え」もブランドに該当します。

企業はブランドイメージを向上させ、生活者に良いイメージを抱いてもらう事で、効率的なマーケティングが可能になるのです。

ブランド・アイデンティティとは

ブランド・アイデンティティを一言で表すと「ブランドをどのように見られたいのか」となります。

この用語は、「ブランドがどのように見られているか」を示すブランド・イメージとは異なり、ブランドの目指す方向性を規定します。そのため、ブランド・アイデンティティを決める事で、理想のブランド像が明確化しそれに応じた戦略を効率的に実行出来るのです。

ブランドアイデンティティは、競合他社と同じような製品サービスを提供していたとしても、その企業を強く際立たせる事が出来ます。ブランド・イメージと混同されがちですが、こちらは消費者が企業に対して抱く印象を指します。「ブランドアイデンティティ=企業がブランドをどのように見られたいのか、ブランド・イメージ=消費者が企業に対して抱く印象」と、捉えておくと混同せずにすむでしょう。

ブランド・アイデンティティに必要な4つの視点

ブランド・アイデンティティの視点

前述した通りブランド・アイデンティティは、理想のブランド像を実現するための目標です。このブランド・アイデンティティを実現するために、4つの視点が必要とされています。ここでは、その4つの視点について解説していきます。

1.「製品」に関するブランド視点

製品は、ブランド・アイデンティティを形作る上で欠かせない視点です。生活者は、製品を通じて価値を感じるためこの視点にこだわりを持つことはとても重要です。

例えば、赤い銀行と言えば三菱UFJ銀行を想起させ、自由な空間のコーヒーショップはスターバックスを連想させます。

2.「組織」に関するブランド視点

組織に根付く価値観も、ブランドと強い相関関係があります。ラッシュは、コスメを通じて社会問題を根本的から解決する信念を基にビジネスを展開しています。地球だけでなく、人・動物・環境の全てをハッピーにする想いを秘めているのです。

この想いを波及すべく、ラッシュの紙袋には動物実験反対の意を示すイラストが描かれています。このようにして企業メッセージを生活者に届ける事で、理念に共感し企業活動に賛同してくれる生活者も増やす事が出来ます。

3.「人」に関するブランド視点

「人」に関するブランド視点は、別名をブランド・パーソナリティとも呼びます。

この視点は、ブランドの人格を表し「らしさ」を表現する上で欠かせない要素です。例えば、ハーレー・ダビッドソンに乗る男性は「自由・アメリカ・男らしさ」を連想させます。ブランドを人として捉える事は、ターゲティングにおいて大きく役立つ事もあるのです。

4.「シンボル」に関する視点

「シンボル」に関する視点は、ブランドを具現化した際に考えやすい要素です。例えば、「マクドナルド」といえばピエロのキャラクター、「スターバックス」といえば緑や女神のイメージのように、ブランドはシンボルとしての機能も果たしています。

ブランド・アイデンティティにおける「シンボル」が生活者に強く根付いていると、他社に対して優位なポジションを保ちブランド展開をしやすくなります。

ブランド・アイデンティティの事例

企業や業界によって、ブランド・アイデンティティは大きく異なります。それを定義したうえで、理想に合わせた適切なブランディングが企業存続のカギを握るでしょう。ここでは、複数社のブランド・アイデンティティを紹介しています。それでは、1つずつ確認していきましょう。

スターバックス

スターバックスは、サードプレイスのブランド・アイデンティティを確立し、それを土台にビジネスを展開しています。

サードプレイスとは、「自宅(ファーストプレイス)」や「職場(セカンドプレイス)」ではない、自分らしさを取り戻せる第三の居場所です。このブランド・アイデンティティを中心に、滞在時間に制限を設けない・コンセントやWi-Fiの完備・ゆったりとした空間づくりを行う事で、幅広い年齢層から支持されています。

Google

Googleのミッションはミッションとして「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を掲げています。

これを基に、Google検索機能やGoogle広告、g-mailなどを始めとした情報管理機能を開発し続け、今では多くの生活者がGoogleを利用しています。

ライザップ

ライザップと聞くと、「結果にコミット」という言葉を連想する方も多いでしょう。まさしく、これがブランド・アイデンティティの神髄ともいえるでしょう。

同社は、入会して満足の行く結果を得られなければ全額返金保証の措置を取る等して、「結果にコミットする事」を追及した企業です。このイメージを強くするために、芸能人を広告塔に起用してCMで驚きの変化を見せた事が、視聴者に驚きを与えグングンと入会者を増やしていったのです。

まとめ

ブランド・アイデンティティは、ブランドに対する理想像が明確化しているのは勿論、それが従業員に浸透し足並みを揃えて生活者にメッセージを発信できるかで明暗は分かれます。

とりわけ、ブランド・アイデンティティが明確な企業は、ターゲティングからプロモーションまでが首尾一貫している事が特徴です。まずは、自社がどのようなポジションであるのかを知ったうえで、上手く反映させるようにしましょう。

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